かつて一泊二食付きの格安温泉施設は「伊東園ホテル」と「おおるり」というチェーングループが二大巨頭を形成していました。
これに大江戸温泉を加えると格安3強、序列は値段、クォリティともに大江戸>伊東園>おおるりとなりますが、大江戸は価格帯が他の2つとは違い上がるのでやや別格な存在。
宿泊施設はどこも新型コロナウィルスのステイホームの影響でどのホテルも客足が遠のき経営的に大ピンチとなるのですが、ほとんどのホテルが閉館の憂き目にあったのがおおるりグループ。
施設は古いもののなんせ一泊二食付きで酒も飲めて約7000円しかも泉質のいい温泉に入れるので各施設とも大人気でしたが、薄利多売の商法なのでコロナ禍にはついに勝てず2021年に10館中8館が閉館。
私も以前塩原とおおるり山荘を紹介しましたが、いったん閉館して不死鳥のごとく復活したのが今回ご紹介する鬼怒川温泉ニューおおるりです。
楽天トラベルやじゃらんからでも予約できるのですが、2食付きで約7000円と異常な安さに初めて見ると「ここ大丈夫?」とちょっとビビります。
場所は田園都市線:東武線で南栗橋まで行き東武日光線・東武鬼怒川線を乗り継ぎ鬼怒川温泉駅から歩いて8分弱で到着。
同じ格安ホテルチェーンでも伊東園や大江戸温泉物語は鬼怒川公園方面に歩いたほうにあるのですが、おおるりは逆方向。
鬼怒川名物の廃墟だらけというエリアではないので、鬼怒川の渓谷を楽しめるていい雰囲気を味わえます。
セブンイレブンが見えてきたら橋を渡ると川っぺりに客室は鬼怒川向きのおおるりが左側に見えてきます。
歓声が上がるので川を見てみるとライン下りなどをしている人が。
橋を渡ってホテルニューおおるりに到着。
駐車場には結構な車の数が泊まっていて、地元の宇都宮ナンバーの車が目に付きます。
さて、フロントに入ってみるとPCで鳥の鳴き声が聞こえてくるんですが、なんとも薄く暗い。
そんな雰囲気ですがスタッフは皆感じよく私を担当してくれたのは人当りのよいベテランの女性でした。
チェックインを完了すると食事時間などを書いたご案内の紙、部屋の鍵、タオル、ドリンク券、バスタオルを手渡され浴衣は各自エレベータ横から好きなサイズものを取るのですがここらへんは伊東園ホテルと同じ。
あと注意事項として屋上の貸切露天風呂が入浴希望なら、チェックインと同時に予約しないとまず入れません。
15時だともう殆どの時間帯で枠が埋まっていました。
エレベーターはフロント側に2基、あと奥に1基あります。
私は七階だったので7階くのですが、エレベーターが古くて遅い。
これだけ安いと部屋に入るまで、どんな部屋かビビりますが一言で言えば「すべては値段なり」でもエアコンはバッチリ効いているし部屋もそこそこきれいで特に問題なしというのが私の感想ですが、これは人によります。
トイレも普通のユニットバスでウォシュレット付き。
wifiは部屋には飛んでなくフロントのみ、部屋でPCを使う場合はスマホのテザリング等を使用する必要があります、
あとここ鬼怒川おおるりは全室が鬼怒川渓谷に面していて景観が楽しめるのがバリューポイント。
窓の外右手には有名な名勝「楯岩」が見えますね。
楽天とかじゃらんの書き込みを見てちょっとビビってましたが、部屋に関しては大きな問題はなかったです。
ではオオルリと言えば温泉なのでお風呂に行ってみましょう。
2階に大浴場、1階に露天風呂、屋上に貸切天空露天風呂があり、まずは大浴場へ。
赤が女性で青が男性ののれんで入ってみますと脱衣所、貴重品を入れるロッカーところは100円が必要(後で帰ってくる)。
ドアが自動で閉まるのはペットボトルの重みを利用していることがまずは驚愕。
はいってみると中はなかなか広く湯気でかすんでいますが、浴槽も大きくかけ流しです。
なぜかお地蔵さんみたいのが窓際の前のスペースにあって謎。
お湯は無色透明無味無臭、温度は適温、湯量はたっぷりアルカリ単純泉でpH=9.1のツルツル系。
塩素臭さはそう感じないのとなかなかによく温まるパワータイプ。
流石は泉質にこだわるおおるり、1泊祝付き7000円でもちゃんと温泉の質は良いと思います。
ここで1階の露天風呂へ。
ここは浴室の水をそのまま鬼怒川に放流するため石鹸、シャンプー使用禁止、カランも1つしかありません。
ここは表示では加熱循環になっていますが、微かに硫黄の匂いがするんですがこれが不思議。
ここも適温、景色は鬼怒川が見れて雄大、とても気持ちいい。
泉質の良さを感じて、私の場合夏になるとお尻に汗疹ができるのですがここの患部でどれだけ効いたかでその温泉の泉質の効果を測るのですが、もうツルツルでバッチリ効きました。
泉質的にも満足です。
夕方と夜に入りましたが、夜は当たり前ですが明かりに集まる虫が多い。
露天は朝型や夕方に入るのがいいと思います、
あとここのハイライトの天空貸切露天風呂に行ってみましょう!
予約時間の5分前にフロントで鍵を借り、エレベータで屋上へ。
露天風呂は2つあるのですが、今回借りたのは街側の「満月」。
連泊の人は朝からその日の予約が可能。
屋上の片隅に目隠しで覆われたスペースが2カ所あり、ここが貸切露天風呂になっています。
鍵を開け中に入ってみると狭いスペースに一応衣類を入れるかごと屋根があり。
さっそく服をヌギヌギして小さな階段をあがるとそこには木組みの2人入ればいっぱいいっぱいの風呂が・・・
立ち上がって見たところこれがなかなか絶景。気持ちいい。
もちろん温泉で源泉かけ流し。なんか汚いとかの書き込みがありましたが入浴するにまったく問題ないキレイなものです。
確かに設備としては掘っ立て小屋でしょぼいはしょぼいんですが、謎の満足感、本当に謎の満足感なアリ。
早速入ってみましょう。
うーん、いい感じ。ここもかけ流しかすかに硫黄の匂いがしますね。
私はまだ明るいうちからはいったんですが、空が近い、ああ湯船を独占するって気持ちいい。
独占にフンフン♪言いながら入っていたら急に大雨が!
それではと洗面器を頭に被りは入浴。
いやぁこれがまた良かった。一言で言うなら「いとおかし」。
なんというか、ザーザー降る中を桶を被って入るというのは初めての経験でなんか途中からとても楽しくなってきます。
通り雨だったようで5分ほどで雨がやみ晴れ間がでてきました。
利用できるのは30分であっという間に枠が埋まってしまうので、可能ならばぜひ!
鬼怒川おおるりにきて屋上露天風呂を経験しないのはあまりにもったいない。この無料露天風呂絶対に利用したほうがいいです。
よくも屋上にこんな物作ったと改めて感心させられますね。
で、もう一つのお楽しみバイキング。
夜のバイキングは部屋番号で席が決まっており、席取りの必要がありません。
席にはもうすでに一つ料理が置かれており、なんとミニサイズのうな丼でした。
そこから好きな料理を取るわけですが、正直あまり期待してなかったんですが逆に裏切られました。
ビール一杯目はタダだし、カレーも旨い、肉じゃが、デザートアイスも充実していました。
もしかすると伊東園に負けてない? うな丼ついてくるぶんだけこっちが上か?
この値段でよくぞここまでというくらい頑張っていると思います。
とにかくやれるところまではやって楽しんでもらおうというホスピタリティを感じました。
しょぼいとは言え、まさかうな丼が出てくるとは思いませんでした。
これで文句言う人は「支払っている対価」に対してどう考えるかだと思いますが私は大満足しました。
納得できないのならもう1万円出して他のところに泊まればいいんです。
都内のビジホが1万円以下で探すのが難しくなってきている昨今、このような宿の存在は本当に貴重。
7000円という値段を考えるとどうやって採算を取っているのか不思議なほど充実してます。
また気になる外国人などもいなくて、客層は老人と夏休みだからでしょうか親子連れも目立ちました。
温泉にも大満足で私はお気に入りの宿として定期的に訪れようかと思っています。
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