【追悼】さようなら、鬼怒川おおるり。ボロボロのドアの向こうにあった「最高の温泉と最高の景観」(栃木県日光市)

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長年親しまれてきた「鬼怒川温泉 ホテルおおるり」が、ついにこの令和8年8月末をもって予約停止となってしまいました。


ニュースを聞いた瞬間、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような寂しさに襲われました。
すでに不動産および土地の権利が第三者へ譲渡・清算されており、再開は建物の古さを考えると耐震的に問題ありなので難しいと思われます。

昭和から平成、そして令和へと格安温泉旅のパイオニアとして走り続けてくれた伊東園ホテルと並び格安宿の老舗。
そんなおおるりに8月末に最後の宿泊ということで連泊してきました。
あの独特の昭和レトロな雰囲気を思い出しながら、心からの感謝を込めて思い出を綴ります。

おおるりは8月まで鬼怒川と塩原と2つの施設が残っていましたがよいよ本丸の鬼怒川が予約停止に・・・
コロナ時に鬼怒川も一旦営業停止になったのですが、不死鳥のように復活した鬼怒川おおるりですがよいよ力尽きました。

その兆候は数ヶ月前から出ており、決済がカードが使えず現金かPayPayしかできなくなっていたり、急に値段が上がったと思ったら下がったりと経営的にかなり苦しいのだなとウォッチしていたのですが復活して4年目の夏に再び停止に。

伊東園ホテルの各施設と並び温泉好き、格安旅行好きなら一度は検討、お世話になったことがあるであろう、あのおおるりグループ。


一泊2食付きで信じられないような破格のお値段、専用バスでの送り迎え、そして昭和感満載の哀愁漂う館内。
ちなみに私は嫌いではありませんでした。むしろ大好物です。

私は5万出していい旅館に泊まるのなら、多少我慢することがあってもその予算で4,5回泊まる方を選ぶ方です。
大体月2回ぐらいの割合でいろんな温泉施設を宿泊していますが、回数を取るとどうしても伊東園やおおるりが候補に上がります。

鬼怒川おおるりといえば、浴室のボロボロのドアの向こうにあった「最高の温泉と最高の景観」です。
浴室に入るドアがボロボロでペットボトルの重さを利用してスムーズさを維持していました。

そんなおおるりですが、最低限の清潔さは保たれており浴室の温泉は地元民が入りに来る鬼怒川でもトップグループの泉質の良さ。


肌に優しく馴染む最高の泉質、入るとわかるその泉質、体の温まり方、肌のハリなど非常に満足できるお湯でした。

屋上にある露天風呂は予約をすれば30分入ることが出来、完全な貸し切りで無料。
冬の夜鬼怒川の夜景と満天下の空の星を眺めながら入る貸し切り露天の贅沢さは忘れられない。

施設は古くても、おおるりの「湯」のポテンシャルは本物。
「この宿泊料金でこんなに素晴らしい温泉と景観を独り占めしていいの?」と入るたびに思っていました

おおるりに到着して部屋に向かう廊下などは施設は年季が入りまくっていました(笑)。
エレベーター横の休憩所のテーブルにはなぜか人形が乗っている謎さ。

鍵をガチャガチャと回して開ける客室のドアは剥げかけていたり、建て付けが悪くて少しコツがいったり。
「あぁ、これぞおおるりクオリティ!」と思わずクスッと笑ってしまうようなボロさ(褒め言葉です)がありました。

豪奢なリゾートホテルとは対極にある、あのノスタルジックで飾り気のない空間。
どこか祖父母の実家に帰ってきたような不思議な落ち着きがあったんですよね。

部屋はいかにも安宿、でもエアコンはしろくまくんで十分快適、客室窓からは鬼怒川の絶景が見えます。
最低限の清潔さは保たれており、布団やまくらなんかもこの値段で文句言ってはいけないと納得できるクオリティ。
wifiもロビーしか繋がらなかったのにいつの間にか客室でもつながるようになっていたりしたのには逆に驚かされました。

そして旅の醍醐味、コスパ最強のバイキング! 夕食・朝食のバイキングです。
豪華絢爛な高級食材がずらりと並ぶ……わけではありません。
けれど、あの限られた予算の中で「少しでも満足してもらおう」という宿側の頑張りと工夫がひしひしと伝わってくるラインナップ。

少なくとも伊東園ホテルのバイキングより私はおおるりのほうが好きでした。
好きなものをトレーに食べきれる分だけ盛って味わう、これってすごい贅沢なことじゃないですか?

ビールは一杯はただ、味はチープでも不味くはない、それでもうなぎが出ていることもあった。
値段を考えればこれでいい、これで十分じゃないか・・・、なんか心があたたかくなるバイキングでした。

鬼怒川の豊かな源泉を惜しげもなく注ぎ込んだ温泉は、肌に優しく馴染む最高の泉質。
内湯でゆったりと体を温め、露天風呂に浸かりながら鬼怒川の風を感じる……。
「ドアはボロボロだけど、このお湯とこの景色があるなら合格点だよね」。

お風呂上がりに脱衣所の冷水を飲んで、火照った体でロビーのソファに深々と腰掛けるあの瞬間が、どれほど愛おしかったか分かりません。
おおるり、本当にありがとうと感謝を述べたいです。

昭和の温泉街の賑やかさを残しながら、誰でも気軽に温泉旅行へ行ける選択肢を作り続けてくれた鬼怒川おおるり。
予約停止は本当に寂しく、一つの時代が終わったような切なさがあります。

建物や設備は少しずつ年をとっていったけれど、あそこで過ごした温かい思い出や、窓から見えた鬼怒川の美しい景色、そして最高のお湯の心地よさは、これからもずっと心に残り続けます。

長い間、たくさんの思い出と癒やしを本当に格安で提供してくださり本当にありがとうございました。
鬼怒川おおるり、おつかれさまでした!

奇跡が起こってまたリニューアルオープンすることを心から望みます。

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